内容
わが国では、人口減少や超高齢化が加速度的に進行する中、過去に整備された公共施設や社会インフラの老朽化への対処などが喫緊の課題となっています。加えて、近年は自然災害の激甚化・頻発化が進み、即効性のある防災・減災対策への取組みの重要性が一層高まっています。このような状況下、地方財政では、人口減少を見据えた公共施設の集約化・複合化などの推進や地方独自の防災・減災対策の充実などに重点的に取り組んでいます。今年度においては、公共施設等適正管理推進事業債の集約化・複合化事業の対象に除却事業を追加したほか、緊急浚渫推進事業債の事業期間を延長するなど、公共施設の老朽化への対処や防災力の強化に向けて制度の拡充が図られています。
また、地方公共団体の社会インフラ整備に係る資金調達においては、保険会社などを引受先として水害や地震対策など資金使途を防災分野に限定した地方債(テーマ型地方債)が発行されるなど、新しい仕組みの地方債発行によって新規投資家層のニーズを取り込んだ民間資金の調達事例も見られています。
これらを踏まえ、令和7年度調査研究委員会では、公共投資の動向を整理したうえで、地方公共団体に対して公共施設・インフラの適正管理・老朽化対策や防災・減災対策における地方債の活用状況、地方債資金の活用効果や課題、制度上の改善点などについて、地方公共団体の活用事例も参考にしつつ、調査・研究を行いました。さらに、今後の防災・減災対策等の公共施設・インフラ整備に伴う資金需要の拡大に対して、安定的な資金調達を実現するためにはどのような工夫が必要なのかをテーマ型地方債を有効な手段の一つとして、地方公共団体と投資家双方にヒアリングし、更なる拡大に向けての課題を整理しました。そのうえで、公共施設・インフラの適正管理・老朽化対策や防災・減災対策における地方債資金の更なる活用促進に向けて、国や地方債協会、投資家、地方公共団体各々が対応すべき事柄・留意点についてとりまとめを行い、所要の提言を行いました。
