財政投融資制度改革の内容

財投改革の基本的考え

  • ◎ 郵便貯金、年金積立金の資金運用部に対する預託は廃止し、市場運用を行う。簡保積立金も特殊法人等への融資を廃止する。

  • ◎ 特殊法人等はまず、政府保証のない財投機関債の発行により資金を自己調達することを検討する。

  • ◎ 財投機関債による資金の自己調達が困難な場合には、国の信用により一括して公債(財投債)を発行して調達した財政融資資金を融資する。

  • ◎ 政府保証債については、財政規律の確保等の観点から、個別に厳格な審査を経た上で限定的に発行を認める。

  • ◎ 地方公共団体に対しては、新しい政府資金として財政融資資金のほか、簡保積立金・郵便貯金についても、地方債計画、財政投融資計画の枠内で、市場運用の例外として直接融資を行う。

  • その際、個別団体との相対交渉ではなく、予算により国会の議決を受けた貸付枠の中で、市場原理に即して政府が定める統一的貸付条件によって融資する。

 

財政投融資制度改革のポイント

郵便貯金・年金積立金の全額が資金運用部に預託される制度から、特殊法人等の施策に真に必要な資金だけを市場から調達する仕組みへと抜本的な転換が図られる。これにより財政投融資制度の市場原理との調和が図られるとともに、特殊法人等の改革・効率化の促進にも寄与することとなる。

財政投融資の対象分野・事業については政策コスト分析などの適切な活用を図り、民業補完、償還確実性の観点から不断の見直しを行う。

 

<郵便貯金・年金積立金の預託義務を廃止し自主運用へ>

 

郵便貯金・年金積立金については資金運用部に対する全額預託義務を廃止し、平成13年4月以降は金融市場を通じて自主運用を行う。同じく簡保積立金についても、財投機関等に対する融資を廃止し、郵便貯金と同じく平成13年4月以降は金融市場を通じ自主運用を行う。自主運用に際しては資金の公的性格及びその規模に鑑み、あらゆる角度から安全確実かつ効率的な仕組みとし、ルール化し、厳正に行う。

ただし、財政力の弱い地方公共団体の資金確保のため、自主運用開始後の郵便貯金、簡保積立金は地方債計画・財政投融資計画の枠内で、地方公共団体に対しては例外的に予算により国会の議決を受けた貸付枠の中で、市場原理に則して政府が定める統一的貸付条件等によって簡素な手続きにより直接融資することが認められる。